(252)ヤマビトボラの遠島型?

(252) ヤマビトボラの遠島型
 
 
Tabia powisi  (Petit,1842)
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ヤマビトボラ(1)
先日頂いた沖ノ鳥島沖の貝、その2です。
少し戸惑ったのですが、全体的にヤマビトボラの特徴を備えています。特徴的な殻口外唇の5刺は、図鑑と同じです。全殻淡褐色とのことですが、殻口側は白色です。HP等で見ると、色のこのようなバリエーションはあるようです。一番異なるのは、表面装飾です。
原色日本貝類図鑑のヤマビトボラと比較すると、螺層上の太い螺状肋が殻頂まであり、細かい螺肋と縦脈があるとのことです。この標本では、体層の下半分のみ螺肋が見られますが、他の装飾が見られずつるつるです。
沖ノ鳥島は、他の島とも遠く離れ周りは5000m程の深海です。標本は一個のみではっきり言えませんが、隔離された環境でこの様な形質になっているのかもしれません。

ヤマビトボラは紀伊半島以南の熱帯西太平洋に分布している。
 水深100m~200mの砂の海底に住む。

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採集地:沖ノ鳥島

採集日:不明
殻長:42mm、殻幅:12mm
ドレッジ調査にて採集
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ヤマビトボラ(2)

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ヤマビトボラ(3)