(40) ロウソクガイ

40)ロウソクガイ
 
 
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ロウソクガイ
重量感のある大きく魅力的なイモガイ科の巻貝である。淡黄白色で模様は無いが、白い帯のあるものもある。生きている時は、ビロード状の殻皮があるとのこと。S市の海砂置き場で見つけた時は、殻皮はすでに失われていた。
以前、「土佐の貝」という横倉山自然の森博物館の催し物があった。その時、色々な貝を切断して断面を楽しんだことがある。・・・博物館に持って行くと、その一部を展示してくれた。
その時、一番驚いたのはこの貝の断面であった。殻の中心部が極薄になっているのだ! ノギスで測ると、外周部は殻厚2mm、中心部は殻厚0.1mm、あるいはそれ以下の厚さであった。薄い所は弾力がありそれなりの強度を保っている。その繊細な造りに、驚かされた。
・・・この事は、私の大発見では無かった。イモガイ科では、殻の内部を大規模に再吸収する事はよく知られている、と後に知った。内部再構築と言われ、殻の強度を失わずに、内部を有効に使うリフォームらしい。・・・見えない所での改造、見事というほかはない。