(55) クマサカガイ

55)クマサカガイ
 
 
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クマサカガイ(右側 上下76mm、付着した貝を含むと104mm)
クマサカガイはK町底引き網で、冬場の100m前後の比較的深い所で採集される。低円錐型の殻に、身近にあるものを載せるとのこと。この標本は、きれいな二枚貝5個乗せている。・・・残念ながら、いずれも古びて色あせて黒ずんできている。
よくよく考えると、この貝は深海の隠遁者と言えるだろう。水深100mだと、日中でも暗闇である。それに加え、目立たないように貝殻などを載せている。この標本では、さらにフジツボ、ゴカイなどを載せていた。・・・あまりにみすぼらしいので、いくらか取り除いた。クマサカガイは、着飾るために貝を載せてはいないようだ。
本体のクマサカガイに加えて、殻の上にバランスよく珍しい貝を載せているとなると、心躍らせるのはコレクターだ。一つとして同じものが無いのも魅力だ。・・・本当の所、貝を載せるのは砂泥底で姿勢を安定させるためとのこと。バランス良く載せるのは、貝にとっても必要なことに違いない。