(71) オキナガイ

71)オキナガイ
 
 
イメージ 1
オキナガイ(1)
 オキナとは、翁のこと。お爺さんである。今にも折れそうな壊れそうなそんな危うい感じの二枚貝である。この貝は、K町底引き網に入る。無造作にに持ち帰ると、必ず割れてしまう。なんどか壊してから、なんとか持ち帰った。オキナガイは、水深5~20mの砂や泥の海底に住む。
殻は薄く半透明で、かすかに真珠光沢がある。割れやすい殻であるが、どれくらいの厚さだろうか。ノギスで殻縁の厚さを測ると、だいたい0.15mm~0.25mmである。少し力を入れると割れてしまう。おそらく貝としては限界の厚さなのだろう。またそれぞれの殻頂部に長さ4~5mmの亀裂が一本見られる。
殻頂部のうちら側に弾帯という圧縮に反発して殻を開く構造がある。この弾帯を受けるものを弾帯受と言い、オキナガイはこれがスプーン状に殻の内側に飛び出していて、これは特に舌状弾帯受と呼ばれる。
コレクションにはなかなかなりにくいが、特徴があって面白い貝である。
イメージ 2
オキナガイ(2)
上;舌状弾帯受、下;殻頂部の亀裂