(192) オオナルトボラ断面

192)オオナルトボラ断面
 
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オオナルトボラ断面(1)
オオナルトボラはエビ網に掛かる。殻口の強烈な紅色が印象的な巻貝である。
断面にしてまず驚いたことは、軸まで赤く染まっていることだった。殻口は、内外唇部ともに鮮やかな紅色に染まっている。しかし殻内部はヒメイトマキボラ同様、内唇部分側のみに着色している。そして成長するに従って、内唇部が軸の外形になって来ている。
写真で判るとおり、軸部は一部しか着色されていない。どのくらいの角度で色が付いているか調べてみた。紅色が約240度ごとについている。2/3周毎についていることになる。また殻の外側を観察すると、殻口上側の溝(後溝)の跡が、同じく2/3周毎に殻に残っている。写真左のものはこの殻口の跡を5個見つけることができた。殻内の紅色と外側の後溝跡とが角度的に一致している。
この事は、オオナルトボラの殻の成長と関係していると思われる。ある種の巻貝は、安定期と急速に殻が生成される期間があると聞いたことがある。この期間が、2/3周毎にありそうだ。断面を見て、面白いことに気付かされた。
 
追記
 カットしている時、軸に穴が開いた。この穴は、外部に開口していない。また、軸の一部に透けて黒いものが見え、泥などが入っているように思われる。幼貝の時にへそがあって開口しているのだろうか?
 
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オオナルトボラ断面(2)