(202) フジツガイ断面

202)フジツガイ断面 殻口が肥大し重量感のある貝
 
 
イメージ 4
フジツガイ断面(1)
 
殻が厚く重量のある、なかなか存在感のある貝です。K町のエビ網に掛ったものです。潮線下の岩の海底に住んでいます。
断面を取る時、貝の軸は途中で曲がっているのかと思うほど、殻口が肥大しています。写真左の二つは同じ貝で、左端は軸に平行にカットしたものです。軸の様子がよく判らなく、何度かカットしてみました。
軸は螺旋を巻きながら、殻口に向かって大きくなっています。軸というより、貝殻の螺旋の壁がここから始まっているという感じです。軸の表面には120度毎に7本程の稜があります。ここには、殻口内唇の稜とそれに続く黒色の染色、殻の外の褐色の色が残っているようです。また外唇の襞・黒色の一部も残っています。・・・断面を見ると、殻の成長がよく判ります。
イメージ 1
フジツガイ断面(2)
 
 フジツガイの断面を見ると、透明と白い殻が見られなかなかきれいです。貝殻は、炭酸カルシウムの2種類の結晶、方解石とアラレ石で出来ています。おそらく透明;方解石、白;アラレ石だと思います。アラレ石は、殻口とこぶの厚い部分にあります。体積の大きな部分には、アラレ石が使われているようです。
 
イメージ 2
フジツガイ断面(3)
 
イメージ 3
フジツガイ断面(4)