⑩ベニガイ

⑩ベニガイ

　

 

 

紅色で美しい貝である。海砂採取の砂の中から採集された。

この貝を見つけると、その美しさに負けてしまって欠けてない物は全て集めている。・・・残念ながら、殻が薄いので割れているものが多く、欠けてないものは少ない。

採集したものを並べてみると、かなりの確率で穴の開いたものが見つかった。肉食性の巻貝に穿孔されたものだ。孔を観察すると、内側に向かって狭くなっている。このような穿孔穴の犯人はタマガイ科だとのこと。

手元の孔開き殻の割合は、右殻で5割、左殻で2割五分で右殻に孔の開いているものが多い。右の殻を上にして浅く砂に潜っていると図鑑に書いている。肉食性の貝が上からのしかかる様に襲ってくると考えれば、右殻から穿孔されるだろう。孔開きの傾向が、生息姿勢と矛盾なく面白い。・・・全部で55個だから、数字としてはかなりあやしいが。

採集されたベニガイは、全数近く肉食性の巻貝に襲われた後、流されて来たのだと推理した。