(38) シマヒタチオビ

38)シマヒタチオビ
 
 
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シマヒタチオビ
 
 
紡錘形をした、あまり見かけない形の巻貝である。K町の底引き網で採集された。残念ながら、ヤドカリの住まいか死貝で、生きた貝には出会っていない。・・・この貝は、深場の砂泥底に住む貝で(140Mから240M)、底引き網の深さ(100M位まで)には住んでいない。生きた貝に出会えないわけだ!
深場の貝が浅い所で見つかる場合、ヤドカリによって運ばれて来たことが考えられる。時には、なぎさでさえもこの貝殻が見つかるとのことがあるそうだ。
写真左の貝には、ヤドカリが入っていた。手元に4個あるすべての貝の殻口も、ギザギザになっている。ヤドカリによって手が加えられた証拠である。厚手に見える殻口は、意外とリフォームしやすいようだ。
かつて深場の海底でシマヒタチオビは生きていた。貝の主が死んだ後、その殻をヤドカリによって占領され、その後浅い所まで引っ越しした。そうして今は空き家になってしまった。・・・貝殻一つにも、歴史があるんですね。