(226) クチジロマクラ断面

226)クチジロマクラ断面 
内部は殻が薄く繊細で美しい!!!
 
 
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 クチジロマクラ断面(1)
 この貝は、殻に艶が有ってなかなか綺麗である。断面にすると、内部の殻は大変薄く、とても繊細で驚いた。クチジロマクラを含むマクラガイ科の貝は、イモガイ科と同様、殻の内部が再吸収され薄くなっているとのこと。(貝類学 佐々木猛智著 P171
殻は5巻程度である。
 
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クチジロマクラ
 
  (16)クチジロマクラに一度登場した。この時、ジュドウマクラとしていたが、訂正する。
 マクラガイ科の巻貝は、浅海の砂底に適応したグループである。生きているときは側足で殻を包み込むため、殻には付着物もなく光沢もある。紡錘形の貝殻から連想させるのか、英名は olive shell と言う。
 
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クチジロマクラ断面(2)
 
 縫合は溝状である。上記拡大写真で見ると、溝の断面がよくわかる。この溝には、生きている時外套膜の一部が入っており、貝殻が完全に砂に埋まっているかどうか確認する機能が備えられているとのこと。(貝類学 佐々木猛智著 P152
 内部の薄くなった殻が、繊細で美しい。
 
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クチジロマクラ断面(3)
 殻の横断面。
 殻の内部は薄くなっているが、外部一巻きは厚くて頑丈である。内部はもろくて、研磨時に取れてしまった。
 また、殻口は大変厚くなっている。殻口断面(写真上の拡大)で見ると、成長線が殻厚全体に見られる。成貝になり、強固な一体の殻を作ったのであろうか。
 これまで見てきた他の貝の殻口は、殻表に殻を付加して厚くしたものである。成長に伴って、殻口の厚くした部分も移動させているように見える。
 
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クチジロマクラ断面(4)