マツカワガイ

写真展
マツカワガイは扁平な貝である。
この貝を真ん中で縦に切断した写真である。
薄いひれ状の縦張肋も半分にしてみた。
縦張肋は中空で内部に繋がっていた。
そこに幾筋か補強のラインが入っていた。
-----------------------------------------------

 
イメージ 1

K町の底引き網に入る、極端にへん平な巻貝である。
丸い巻貝を押し潰したような、独特の形である。マツカワガイ属のみ縦張肋が180度ごとに形成されるとのこと。つまり、ペチャンコになった貝である。砂泥の海底で安定して暮らすための形であろう。
・・・へん平であるがゆえに、貝の中が特に気になる。たくさんの断面を取ってみた。軸は板状のものが捻じれながら、へん平に巻いている。ひれ状の縦張肋を支えるために軸の一部が張り出している。足とか内臓などの生体は、この張り出しを通っているわけだ。
標本にしようと身を取り出すが、うまくいったためしがない。途中で身が切れてしまうのだ。標本にする時、この張り出しが抵抗になって切れてしまうようだ。
 
こんな へんちくりんな巻貝なのに、こんな貝にもちゃんとヤドカリが入っていた。・・・もしかしたら珍しいものかもしれない。
日本の温帯域の砂泥底では典型的な貝である。水深50m~200mに生息する。