(34) ハボウキガイ

34)ハボウキガイ
 
 
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ハボウキガイ 土佐湾潮線下
少年の頃、毎年夏になると家族総出で貝拾いに行った。S市の巡航船に乗って、島に渡り貝を採るのだ。ある時、内海を泳ぐと砂の中から大きな貝があちこちに生えているのに気が付いた。潜ってその貝を砂から引き抜こうとするが、簡単には引き抜けない。手を切りながらやっとのことで手に入れた貝がこのハボウキガイであった。・・・家に帰り、その大きな貝を茹でると、貝の大きさからいって、信じられないくらい小さな身が入っていた。身があまりにも小さいことのショックからか、味はよく覚えていない。
この標本は、一番大きいもので43Cm(写真左、以後同標本)ある。貝の好きなNさんより頂いたもの。尖った方を(殻頂)を海底に埋めて足糸を海底の小石などに固定して生活している。殻頂から20Cm海底に埋まっていることが、殻に付いた貝などで判る。殻頂から3Cmの所から7Cmの長さで殻に隙間があり、ここから足糸を出しているようだ。最低10Cm埋もれていれば、なんとか姿勢を保てそうである。
ハボウキを辞書で調べると葉箒、または羽箒。いずれにしても貝の形から、箒をイメージしたようだ。
ハボウキガイ科は、古生代石炭紀後期に出現し、科としては大変長生きしている種類である。恐竜が出現する前から滅びるまで、人類が生まれ今に至るまで、海の底でひっそりと生き続けてきている。