海のギャラリーへ

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 連休の一日、高知土佐清水市の「海のギャラリー」へ行ってきました。
 洋画家で貝類研究家である黒原和男氏の収集品が展示されている。
 収集品は、高知地元の貝を中心に海外の貝もふんだんに展示されている。
 私は、特に地元で採れた貝を中心にしっかり見させていただいた。高知に、こんなにもたくさんの貝が採れたのかと改めて目から鱗が採れたような感慨があった。
 入り口で、写真撮ってもいいですか?と聞くと、「いいですよ」と快諾の返事があった。帰ってから、改めて案内を見ると撮影禁止のマークがあった。
・・・知らないで、写真を撮りまくってきました。主に高知産の貝のみの写真ですが。
 黒原さんが、貝の収集を始めたきっかけ、家が傾きかけても貝を買い続けたことなど印象に残るエピソードなどもふんだんに解説があった。
 貝の魅力に魅せられ、貝とともに歩んだ人生だったんですね。

ホンカリガネ断面

写真展 
写真展で4月の大半を費やしてしまった。
今回で終了です。
その中で、好評であった写真を最後に載せることとしました。
この貝も地味だが、カットすると内部の白さが目に飛び込んできた。
おかげで、興に任せてたくさん断面を作ってしまった!!!
・・・さて これからは、少し間をおいて投稿します。
また、よろしく!!!
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ホンカリガネ断面
真っ白な断面、内面に細い条がある!!!

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K町の底引き網にたくさん入る巻貝である。身を取り出すのが幾分難しい。写真を撮ってみると、水管溝が長く、肩に深い湾入(肛湾入)があり、かっこいい巻貝だ。 
断面を見ると、内部はシンプルである。軸は装飾の無い円柱で滑らかである。内面は真っ白。
写真では良く見えないが、螺肋の位置に相対するように内部に条が見られる。

テンロクケボリ 渚の宝石

写真展
綺麗な貝である。
この貝を浜辺で見つけた時、歓声を上げるのは納得がいく。
最初の頃は、ずいぶん浜辺で捜したのに出会えなかった。
まさしく渚の宝石である!!!
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テンロクケボリ  なぎさの宝石
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  先日、K町塩屋の浜で、貝拾いをしていた。
その時、時々出会う貝拾いの女性が歓声をあげた!
 「あった!!!」
・・・話を聞いてみると、この貝を見つけた時の声であった。
  めったに拾えない貝である。浜を端から端までじっくり探しても、2個以上拾ったことがない。大概が収穫無しだ!!!
  テンロクケボリは背中に赤の6個の点があり、すっきりした色と形から、私は渚の宝石と名付けたい。潮間帯下部のトゲトサカ類に着いて生活している。
 
この貝に、下から光を当ててみた。
殻口の明るい線が背面に映って、まるで宝石のようだ。

テラマチイモフデ断面

写真展
この貝は地味で、その上標本にしようとしても身が抜けない。
隅っこに置かれていた貝でした。
ところが断面にすると、内部に驚くようなヒダが現れてきた。
私をアッと言わしめた素敵な貝になった。
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テラマチイモフデ断面
軸には連続した見事なヒダがある!!!

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K町の底引き網漁で網に入って来るフデガイ科の巻貝である。・・・この貝は、身がなかなか抜けない。
・・・その原因は、どうやらその断面から見てとれそうだ。螺旋状のヒダが殻の奥まで作られている。ヒダは、まるでネジの様で8~9本入っている。このヒダが、身抜きを邪魔しているようだ。ヒダの殻頂側はツルツルで無装飾である。
 
 このヒダは殻軸襞と呼ばれるとのこと。(貝類学;佐々木猛智著 P157
ねじのようなこのヒダを、見つけた時はとても驚いた!

キサゴ

写真展
キサゴは、市場に出回る貝ですので馴染みのある方も多いでしょう。
「この貝、知っている!」という反応を期待して
写真にしてみました。
・・・確かに、そのような声をあげた人は多かったです。
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キサゴ
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キサゴは、食用として大変おいしい貝のようです。しかし漁獲量は少ないようです。食べ方も独特で、熱を入れすぎないようにして食べるとのことが基本のようです。
・・・・・残念なことに味を知りません。。・・・楽しみは先に取っておきましょう。
この貝は、S海砂置き場で拾ったもの。
北海道南部から九州に住む。潮間帯~水深10mまでの砂底に住む。

マツカワガイ

写真展
マツカワガイは扁平な貝である。
この貝を真ん中で縦に切断した写真である。
薄いひれ状の縦張肋も半分にしてみた。
縦張肋は中空で内部に繋がっていた。
そこに幾筋か補強のラインが入っていた。
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K町の底引き網に入る、極端にへん平な巻貝である。
丸い巻貝を押し潰したような、独特の形である。マツカワガイ属のみ縦張肋が180度ごとに形成されるとのこと。つまり、ペチャンコになった貝である。砂泥の海底で安定して暮らすための形であろう。
・・・へん平であるがゆえに、貝の中が特に気になる。たくさんの断面を取ってみた。軸は板状のものが捻じれながら、へん平に巻いている。ひれ状の縦張肋を支えるために軸の一部が張り出している。足とか内臓などの生体は、この張り出しを通っているわけだ。
標本にしようと身を取り出すが、うまくいったためしがない。途中で身が切れてしまうのだ。標本にする時、この張り出しが抵抗になって切れてしまうようだ。
 
こんな へんちくりんな巻貝なのに、こんな貝にもちゃんとヤドカリが入っていた。・・・もしかしたら珍しいものかもしれない。
日本の温帯域の砂泥底では典型的な貝である。水深50m~200mに生息する。

アンボイナ

写真展
アンボイナは、有名な貝なので知っている人が多い。
漁協でも危険!ということでポスターを張られているらしい。
高知の海で、この貝に出会えるとは思いもよらなかった。
昨年の収穫のトップになるような貝であった。
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アンボイナ 透過光
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高知県中西部K町のイセエビの網で得られた。
いつも行くエビ網を覗くと、珍しい貝を採ったと教えられた。初めて見るが、よく知られているアンボイナだ。
 この貝は、矢の形をした歯舌で魚などを捕まえる。そしてラッパのように広がる大きな口で、捉えた魚を丸呑みする。まるでマンガの寄生獣のようだ。
 沖縄ではハブガイと言われ恐れられているという。人間でも数時間で死ぬほどの毒をもつという。そのことを知って、改めて身震いした。また軍手やウェットスーツの上からでも刺されるとのこと。ご用心、ご用心!!!
 高知新聞でも東洋町沖で2個体見付かったと、注意を喚起している。(猛毒貝に注意・県が呼びかけ;高知新聞2013年10月9日)
 漁師の話だと、毒があることは、漁協のポスターで見た。毒があるとのことで、食べなかったとのこと。毒のおかげで、手に入れることが出来た!
 この貝は、潮間帯から水深25mの岩の間の砂中に住む。昼間は砂中や岩の下におり、夜 活動する。
 貝が得られた深さは、水深5~10m。
殻長112mm。2015年9月21日採集。
 殻が薄いので、光を透過してみた。表面の模様が浮かび上がり、なかなか美しい。