(57) トサカガキ

57)トサカガキ
 
 
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サカガキ(1)
 褐色の鮮やかなカキの仲間である。この標本は、K町のイセエビ網に掛ったもの。放射状の凹凸が殻縁まで伸びるため、殻の周辺部はノコギリ状に鋭く噛みあわされている。下面(左殻)は殻の一部が変形し、その付着殻で体を固定させている。写真のものは、直径2~4mmで長さ10mmの付着殻8本で、小さなヤギ類をつかんでいる。この腕は、殻の凸部毎に本ずつ殻から生えてきている。殻の一部とは思えない不思議な形である。
サカガキの仲間(イタボカキ科)は、中生代ジュラ紀白亜紀にも栄えた。陸上では恐竜時代である。ノコギリ状の殻縁を持つ貝もいたが、特別な付着殻をもつものは見当たらない。この付着殻は、億年以上の歳月をかけて進化させてきたものに違いない。
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サカガキ(2)下面の付着殻
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サカガキ(3)