断面 の検索結果:

(209) ハッキガイ断面

(209)ハッキガイ断面 ぼろぼろになっても生きている 凄いやつ!!! ハッキガイ断面(1) K町の底引き網で得られた貝である。私はこの貝が好きで、見つけた時は若いものも老成したものも採るようにしている。白い殻と鋭い棘が魅力である。 写真左は、若い貝である。棘は鋭く、殻は白い。殻の内側も白くて艶がある。 写真中央は、老成した貝である。棘は落ち、殻表面は穿孔されて、穴だらけである。殻頂部は、殻に穴があいている。泡状の隔壁をもってなんとかしのいで生体を保っているように見える。外の…

(208) サザエ断面

(208)サザエ断面 内面は真珠の殿堂!!! サザエ断面(1) 誰もが知っているサザエを断面にしてみた。 内面は驚くほどにシックな装いの真珠の殿堂であった。バンド状の真珠層が全体に掛っている。写真の断面のもの(右)は殻長63mmの若い貝である。左の殻長79mmの内面は、真珠層がひずんでいる。老成したらそうなるのか、あるいは棘が多い個体でそうなるのか?・・・良く判らない。 サザエ断面(2) 殻頂部断面を拡大してみた。殻頂部は、殻内部を厚くして強度を増しているようだ。最後のピンホ…

(207) マツカワガイ断面(2)

…207)マツカワガイ断面(2) ひれ状の縦張肋内部、製作途中は本体につながって中空!!! フリルになって美しい!!! マツカワガイ断面(4) マツカワガイの断面を作った時、ひれ状の縦張肋内部が生体側と繋がっているものを見つけた。殻口から覗くと、縦張肋の付く所に狭い隙間(スリット)がある。この肋を縦断面にしてみた。すると内面に光沢があり、2つの曲線の殻のバンドがあった。フリルがなかなか美しい(写真左)。・・・しかし通常、この部分は殻が詰まっている(写真中央)。 手元の標本を調べ…

(206) マツカワガイ断面(1)

…206)マツカワガイ断面(1) へん平な殻の中も、当然へん平 マツカワガイ断面(1) K町底引き網に入る、極端にへん平な巻貝である。西太平洋の水深50m~200mの砂底に住む。 標本にしようと身を取り出すが、なかなか難しくうまくいったためしがない。途中で身が切れてしまうのだ。 ・・・へん平であるがゆえに、貝の中が特に気になる。たくさんの断面を取ってみた。 マツカワガイ断面(2) 確かに全体がつぶれているような形である。軸は板状のものが捻じれながら、へん平に巻いている。上側の写…

(205) ヤツシロガイ断面

…205)ヤツシロガイ断面 黄褐色の胎殻がきれい! ヤツシロガイ断面(1) K町底引き網で見つけた巻貝である。ここでは生息数が少ないのか、生きた貝はめったに見つからない。土佐湾では、大きな個体がいるとのこと。ここの底引き網で殻長13Cmのものを採集したことがある。残念なことに大きなヤドカリが入っていて、殻口がギザギザに加工されていた。・・・それでもなかなか魅力的だ。次は生きた大きな貝に出会いたい。水深10m~200mの細砂底に住む。 同じ網にたくさん入るスジウズラガイとよく似た…

(204) ハリエビス断面

(204)ハリエビス断面 内面は、まばゆいばかりの真珠光沢 殻頂部は殻で充填されているが、小さな穴が残っている!!! ハリエビス断面(1) K町底引き網に入る魅力的な巻貝である。断面にすると、内面はまばゆいばかりの真珠光沢だ。軸は滑らかで、凹凸はない。上の写真では、軸の一部が切断されてへそ穴の一部がのぞいている。通常へそ穴には、泥が詰まっている。 ここの底引き網では、少し深めの水深100m前後の操業時に網に入る。砂泥底に住む。 ハリエビス断面(2) 殻頂内部は、殻が厚くなり、…

(203) カズラガイ断面

(203)カズラガイ断面 軸のヒダが美しい カズラガイ断面(1) 浅い砂の海底に住むトウカムリ科の巻貝である。“(28)カズラガイ”に一度登場した。“(195)ウネウラシマ”に似た仲間であるが、断面にすると違いが判る。 軸には、一部途切れてはいるがヒダがあり美しい。これは、以前殻口内唇下側にあったものが、成長して残ったものだ。 縦張肋は2/3回転毎にある。この肋は、以前殻口のあった所である。ここには内外唇にあったヒダも良く残っている。また、幼貝の時によく目立つ殻表面の縦横の肋…

(202) フジツガイ断面

(202)フジツガイ断面 殻口が肥大し重量感のある貝 フジツガイ断面(1) 殻が厚く重量のある、なかなか存在感のある貝です。K町のエビ網に掛ったものです。潮線下の岩の海底に住んでいます。 断面を取る時、貝の軸は途中で曲がっているのかと思うほど、殻口が肥大しています。写真左の二つは同じ貝で、左端は軸に平行にカットしたものです。軸の様子がよく判らなく、何度かカットしてみました。 軸は螺旋を巻きながら、殻口に向かって大きくなっています。軸というより、貝殻の螺旋の壁がここから始まって…

(201) シドロガイ断面

(201)シドロガイ断面 内側から殻を厚くした シドロガイ断面(1) マガキガイと同様、ソデボラ科の巻貝です。紡錘形のスマートな貝で、殻口外唇の張り出しが特徴的です。“土佐の海から;(14) シドロガイ”で一度登場しました。・・・この貝は、T市Nさんに頂いたものをクリーニングしました。 断面を見ると、マガキガイと同様外側の模様が殻内部まで残っています。 シドロガイ断面(2)殻頂部断面 殻頂部内壁の断面は、5層程、段階的に青紫色に染まっています。年輪のように、段階的に殻を厚くし…

(200) マガキガイ断面

(200)マガキガイ断面イモガイに似ているのは外形だけ マガキガイ断面(1) マガキガイは、潮間帯に住むソデボラ科の巻貝です。”土佐の海から;(164)マガキガイ”で一度登場した。 この貝の見かけは、イモガイによく似ている。・・・しかし、切断すると全く異なることが判る。本当に驚かされる。 イモガイは内部の殻は再吸収されて紙のように薄くなっている。ところが、写真で見るように 殻内部は厚い殻がしっかりと付いている。それに、なかなかきれいだ。 殻外唇の赤い色とひだは、殻口のみで内部…

(199) キリガイ断面

(199)キリガイ断面 殻の先まで身が入っている キリガイ断面(1) キリガイはK町底引き網で得られるタケノコガイの仲間である。写真の断面は殻長65mm(左)、80mm(右)である。4個とも別の貝である。 螺層を数えると22~25層もある。断面にすると、その殻の先まで身が入っていることが判る。完全に身抜きするのは、かなり難しそうだ。 断面にすると、軸には特徴的な2本の稜が先端まで連続している。螺層の殻の中央部に褐色のラインが入っている。外唇部の色が成長するに従って殻に取り込ま…

(198) オルビニイモ断面

…198)オルビニイモ断面 殻を壊さずヤドカリも利用 オルビニイモ断面(1) オルビニイモはK町底引き網で得られる。断面にしてみると、内部の殻は紙のように薄く、イモガイの仲間だとすぐに判る。殻は細長く肩部は結節していてスマートでなかなか姿が良い。・・・しかしなかなかきれいに身抜き出来ない。イモガイの例にもれず、繊細で狭い殻の内部の作りによるものだろう。 この貝にも、小さなヤドカリが入っていたものがある。断面にして見てみると、ヤドカリは、この紙の様な内部の殻を壊さずに尾節をからま…

(197) アコメガイ断面

(197)アコメガイ断面 床上げ式リフォーム アコメガイ断面(1) アコメガイはK町底引き網に入って来るイモガイの仲間である。上手に身抜きできず、このブログにも登場していなかった。しかしその断面は印象的で、その内部の繊細な殻は見事だ。・・・この殻にくるくる身が入っているため、内蔵の最後が取り出せなかったのだ。 “成長の途中で、せっかく作った殻の一部を自ら溶かし去ってしまう例がある。再吸収と呼ばれる。もっとも知られた例はイモガイ科で、螺層の内部は紙のように薄くなっている。(貝類…

(196) イトマキナガニシ断面

…6)イトマキナガニシ断面 曲がった殻頂部は、無理なリフォームのせい イトマキナガニシ断面(1) イトマキナガニシはK町底引き網に入って来る大きな巻貝である。見つけた時はいつも小躍りする。このブログの“(37)イトマキナガニシ”に一度登場した。 断面にしてもなかなか魅力的である。軸は螺層に沿って螺旋を描いている。軸の表面はなめらかで稜は見られずシンプルである。 イトマキナガニシ断面(2) 殻頂に近い部分には、泡状隔壁(仮称)が見られる。 左の厚い泡状隔壁のある個体には、殻頂側に…

(195) ウネウラシマ断面

…195)ウネウラシマ断面 二重螺旋のへそ穴 ウネウラシマ断面(1) ウネウラシマはK町底引き網漁に入って来る巻貝である。殻表面の班列はあまりはっきりしないので、あまり見栄えがしない。このブログの“(68)ウネウラシマ”に一度登場した。 外見は見栄えしないが、断面をみると、なかなか魅力的である。軸が複雑だ。殻頂まで続くへそと呼べる穴は二重螺旋になっている。螺旋の表面には2本程の稜と数本の小さな稜がある。この稜は、個体差があるようで軸全体に5本程同じ大きさの稜を持っている個体もあ…

(194) テングニシ断面

(194)テングニシ断面 テングニシ断面(1) 殻長;140mm(左)、185mm(中央・右) ショッキングピンクという言葉がある。テングニシを断面にした時、この言葉が浮かんでしまった。実際はショッキングではなくもっと穏やかな、光沢のあるピンクである。・・・目に飛び込んできたその純粋な色は衝撃的であった。。 写真の貝はいずれもK町の底引き網漁で得られた生貝である。水深10m~50mの砂底に住む。 テングニシ断面(2) もうひとつ気が付いたことは、殻頂部内部にある薄い壁だ。断面…

(192) オオナルトボラ断面

…92)オオナルトボラ断面 オオナルトボラ断面(1) オオナルトボラはエビ網に掛かる。殻口の強烈な紅色が印象的な巻貝である。 断面にしてまず驚いたことは、軸まで赤く染まっていることだった。殻口は、内外唇部ともに鮮やかな紅色に染まっている。しかし殻内部はヒメイトマキボラ同様、内唇部分側のみに着色している。そして成長するに従って、内唇部が軸の外形になって来ている。 写真で判るとおり、軸部は一部しか着色されていない。どのくらいの角度で色が付いているか調べてみた。紅色が約240度ごとに…

(191) スジウズラガイ断面

…91)スジウズラガイ断面 スジウズラガイ断面(1) 底引き網漁で得られたスジウズラガイの断面である。これはなかなか奇麗だと思って写真に撮るが、その魅力を充分写し込めることが出来ない。 軸は楕円をさらにつぶした形の中空である。あるいは、パイプを激しくつぶした形だという方がいいのだろうか。この軸の穴は外部より殻頂に達するので、へそと呼べばいいのだろう。その殻頂には、濃い褐色の胎殻が見られる。 中空の軸には一部に泥が入っているようだ。色の濃くなった部分が、透けて見てとれる。 スジウ…

(190) ヒメイトマキボラ断面

(190)ヒメイトマキボラ断面 ヒメイトマキボラ断面(1) イセエビ漁で得られたヒメイトマキボラをカットしてみた。写真の貝はいずれも蓋のある生貝である。 外形では思いもよらないことに、軸に二本の螺旋状の稜があった。殻頂に近い部分は殻が厚くなり塞がっている。殻口内外唇部のピンク色の線は奥まで連続していないようだ。内唇部のピンク色は、殻内殻頂まで連続している。 断面を見ると、思いもよらない発見がありそうだ。 ヒメイトマキボラ断面(2)

(81) マツヤマワスレ

…い成長輪がある。紫から褐色の放射彩があり、殻縁部は淡い紫色になっていて美しい。潮線下~水深10m程の砂底に住む。合弁した貝も見つかるが、死貝となってから流されて来たものではないだろうか。 海砂置き場では、この種に限らず色が黒く変色した(黒化した)貝が見つかる。断面を見ても内部まで変色している。変色には、かなりの時間を要したように思われ、大変興味深い。このように黒化したものは、他の場所にも見られるだろうか? 知っている方は、ぜひ教えて下さい。 マツヤマワスレ(2) 黒化したもの

(69) スダレガイ

…。見栄えのする二枚貝である。手元にある最も大きなものは、殻長87mmになる。 図鑑を見ると、スダレガイとサツマアカガイの殻が良く似ていて、なかなか判断が付かない。二つを並べて比べるとすぐに判ると思うが、そこは経験不足でいかんともいたしかたない。殻表面の輪肋の断面がサツマアカガイの方が角ばっているとのこと。断面を見ると輪肋の断面の角が丸まっている。溝底の方が入口より広くて、そこに砂が入っている。・・・肉厚で強い肋と溝幅が広い点などから見て、スダレガイかと思う。 スダレガイ(2)

(40) ロウソクガイ

…、色々な貝を切断して断面を楽しんだことがある。・・・博物館に持って行くと、その一部を展示してくれた。 その時、一番驚いたのはこの貝の断面であった。殻の中心部が極薄になっているのだ! ノギスで測ると、外周部は殻厚2mm、中心部は殻厚0.1mm、あるいはそれ以下の厚さであった。薄い所は弾力がありそれなりの強度を保っている。その繊細な造りに、驚かされた。 ・・・この事は、私の大発見では無かった。イモガイ科では、殻の内部を大規模に再吸収する事はよく知られている、と後に知った。内部再構…